消防設備点検の
年間スケジュールの組み方
物件ごとの点検の月・報告の年・担当者を、どの順で決めると組みやすいかをまとめました。 点検の周期と報告の周期の決まりは、法令で確かめた内容です。
物件ごとに年2回の点検の月を決め、そのうち1回で総合点検もあわせて行うと、1年の訪問は2回にまとまります。
報告は特定防火対象物が1年に1回、それ以外が3年に1回。報告しない年も、点検は年2回行います。
「いつ行くか」(顧客の都合)と「誰が行くか」(資格と社内の都合)は、分けて決めると組み直しが楽になります。
1年に何回点検するか
| 点検の種類 | 期間 | 1年の回数 |
|---|---|---|
| 機器点検 | 6か月ごと | 2回 |
| 総合点検 | 1年ごと | 1回 |
期間は設備によって異なります。消火器具・誘導灯などは機器点検だけ、配線は総合点検だけです(平成16年消防庁告示第9号 第3)。 設備ごとの期間は点検と報告の時期の早見表で確かめられます。
機器点検は6か月ごとなので、点検の月は6か月離して決めます(例:4月と10月、6月と12月)。 総合点検を、2回の機器点検のどちらか一方の回に合わせて行えば、1年の訪問は2回で済みます。
報告の年を決める
点検の結果は、特定防火対象物(飲食店・物品販売店舗・ホテル・病院など)は1年に1回、 それ以外(共同住宅・学校・事務所・倉庫など)は3年に1回、消防長または消防署長へ報告します(消防法施行規則 第31条の6 第3項)。
点検の期間と報告の期間は、別々に決まっています(同条 第1項と第3項)。 報告が3年に1回の建物でも、点検は毎年2回行い、結果は維持台帳に記録します。
報告の周期をいつから数えるかは、法令に書かれていません。物件ごとに前回報告した日を控えておき、 次の報告の年を決めてください。細かな扱いは所轄の消防署の案内をご確認ください。
建物の用途ごとの報告の周期は、早見表で用途を選ぶと分かります。
年間の予定表を作る
物件を行、月を列にした表にすると、1年を見渡せます。マスには、その月に行う点検の種類と、報告するかを書きます。
| 物件 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Aビル(飲食店) | 機・総・報 | 機 | ||||||||||
| Bマンション | 機・総 | 機 | ||||||||||
| C事務所 | 機 | 機・総 | ||||||||||
| その月の件数 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
機=機器点検、総=総合点検、報=報告。Bマンション・C事務所は3年に1回の報告なので、報告する年だけ「報」を付けます。
一番下に「その月の件数」の行を置くと、点検が特定の月に集まっていないかが分かります。 集まった月は人手が足りなくなるので、顧客と相談できる物件から別の月へずらします。
日を決めてから、人を決める
| 順 | 決めること | 決まり方 |
|---|---|---|
| 1. 日 | いつ行くか | 顧客の都合で決まります。共同住宅などでは、居住者へのお知らせや管理組合の承認が要る場合があるので、 月が決まった段階で早めに顧客と日程を相談します。 |
| 2. 人 | 誰が行くか | 社内の都合と資格で決まります。延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物などは、消防設備士または消防設備点検資格者が点検します (有資格者が点検しなければならない建物)。 設備ごとに必要な資格は設備と資格の早見表で確かめられます。 |
日と人を一度に決めようとすると、顧客の都合が変わるたびに担当者まで組み直すことになります。 先に日を押さえ、担当者は後から割り当てると、片方が変わってももう片方を崩さずに済みます。
消防設備士・点検資格者の講習の期限は3月31日です(交付日・受講日以後の最初の4月1日から数えるため)。 年間の予定を組むときに、期限が来る人の講習の受講も一緒に入れておくと、年度末に点検できる人が足りなくなるのを防げます (講習期限の計算ツール・講習期限の管理表)。
防火対象物の定期点検もあるとき
政令で定める建物では、消防用設備等の点検とは別に、防火対象物の定期点検があります。 管理について権原を有する者が、防火対象物点検資格者に1年に1回点検させ、結果を消防長または消防署長に報告します (消防法 第8条の2の2、消防法施行規則 第4条の2の4)。
消防用設備等の点検の対象になっている事項は、防火対象物の定期点検の対象から除かれています(同条第1項ただし書)。 両方を請けるときは、年間の予定表に別の行として入れておくと、点検員の資格の違いも見分けやすくなります。
年間の予定から担当者の割り当てまで、1つの表で回すなら
消防設備点検業のための業務管理システム Abancia Field は、契約ごとに点検の周期と次の期日を持ち、 予定管理表の年間で1年を見渡し、月間で日を決め、担当者別で人を決めます。 物件の設備と担当者の資格を照らし合わせ、資格が足りない割り当てには警告を出します。
関連するツール
- 消防設備点検の周期と報告の時期 早見表
- 消防設備と点検できる資格の早見表
- 消防設備士・点検資格者の講習期限の計算ツール
- 消防設備点検をExcelで管理する方法(講習期限の管理表つき)
- 消防設備点検票 38様式の一覧
- 消防用設備等点検結果報告書の書き方(別記様式第1〜3)
- 消防設備点検と防火設備定期検査の違い
出典
- 平成16年消防庁告示第9号 ― 第3(点検の期間)
- 消防法施行規則(e-Gov 法令検索) ― 第31条の6(点検の期間・報告の期間・維持台帳)、第4条の2の4(防火対象物の定期点検)、第33条の17(消防設備士の講習)
- 消防法(e-Gov 法令検索) ― 第8条の2の2(防火対象物の定期点検)、第17条の3の3(消防用設備等の点検と報告)
- 消防法施行令(e-Gov 法令検索) ― 第36条(有資格者が点検する建物)
- 消防設備点検資格者等に係る講習の受講期限の改正(日本消防設備安全センター) ― 点検資格者の講習の期限(年度単位の数え方)
最終確認日:2026年10月9日。 法令の改正により変わることがあります。報告の方法や時期の細かな扱いは、所轄の消防署の案内をご確認ください。