消防設備点検を
Excelで管理する方法
物件・点検の予定・従業員の資格をExcelで管理するときに、シートをどう分けるか、どこで間違えやすいかをまとめました。 講習の期限を自動で計算する管理表も、無料でお使いいただけます。
シートは「物件」「点検の予定」「従業員の資格」の3つに分けると、1行に書く単位がはっきりします。
講習の期限は、交付日からではなく「交付日以後の最初の4月1日」から数えます。手で数えずに、式で出すのが確実です。
期限を自動で計算する「資格・講習期限の管理表」を、このページから無料でダウンロードできます。
シートの分け方
1つのシートに何でも書くと、1行が「物件」なのか「点検1回」なのか「人」なのかが混ざり、並べ替えや絞り込みができなくなります。 1行に書く単位でシートを分けます。
| シート | 1行に書くもの | 主な列 | その列が要る理由 |
|---|---|---|---|
| 物件 | 建物1つ | 物件名・所在地・用途・延べ面積・設置されている消防用設備等・建物の関係者(報告の届出者)と連絡先 | 用途と延べ面積で、報告の周期(1年・3年)や、消防設備士・点検資格者が点検しなければならないかが決まります (早見表)。報告書の届出者は建物の関係者です(報告書の書き方)。 |
| 点検の予定 | 点検1回 | 物件・点検の種類(機器点検/総合点検)・予定日・担当者・実施日・報告した日 | 機器点検は6か月ごと、総合点検は1年ごとです(設備によって異なります)。報告した日を残すと、次の報告の時期を追えます。 |
| 従業員の資格 | 1人 × 1つの講習区分 | 氏名・資格と講習区分・免状の交付日・最後に講習を受けた日・次の講習の期限 | 1人が複数の資格を持つので、人ごとに1行にすると列が足りなくなります。講習は区分ごとに受けるので、区分ごとに1行にします。 |
社用車を使う会社は、車検・自賠責保険の満了日も別のシートに分けておくと、同じ考え方で追えます。
講習期限の数え方
Excelで間違えやすいのが、講習の期限です。交付日に年数を足すだけでは、ずれます。
| 資格 | 次の講習の期限 |
|---|---|
| 消防設備士 | 1度も講習を受けていなければ、免状の交付日以後の最初の4月1日から2年以内。 受けていれば、最後に講習を受けた日以後の最初の4月1日から5年以内(消防法施行規則 第33条の17)。 |
| 消防設備点検資格者 | 免状の交付日以後の最初の4月1日から5年以内に再講習。再講習を受けると新しい免状が交付され、その交付日から数え直します。 |
| 防火対象物点検資格者 | 免状の交付日以後の最初の4月1日から5年以内に再講習。数え方は消防設備点検資格者と同じです。 |
期限の日は3月31日になります。「4月1日から2年以内」の最後の日は、2年後の3月31日だからです。
例:免状を2019年10月1日に受け、2021年5月1日に講習を受けた消防設備士は、受講日以後の最初の4月1日(2022年4月1日)から5年以内なので、 期限は2027年3月31日です(東京消防庁の講習案内の例示と同じ)。
消防設備士の講習は、特殊消防用設備等・消火設備・警報設備・避難設備と消火器の4つの講習区分ごとに受けます。 同じ区分の免状を複数持っていても講習は1回で、期限はその区分で最初に交付を受けた免状の交付日から数えます。
Excelでは、基準の日(交付日または受講日)がA2にあるとき、起算日(その日以後の最初の4月1日)を次の式で出せます。
| 出したいもの | 式 |
|---|---|
| 起算日 | =DATE(YEAR(A2)+IF(A2>DATE(YEAR(A2),4,1),1,0),4,1) |
| 期限(2年以内) | =DATE(YEAR(起算日)+2,3,31)(5年以内なら +5) |
4月1日ちょうどに交付・受講した場合は、その日が起算日になります(上の式もそうなります)。
資格・講習期限の管理表(無料)
氏名・資格と講習区分・免状の交付日・最後に講習を受けた日を入れると、次の講習の期限・残り日数・状態(期限が近い/期限切れ)を自動で計算します。 登録やメールアドレスの入力は要りません。
- 黄色のセルだけを入力します。白いセルは式で計算されます。灰色の行は記入の例です。
- 資格と講習区分は、一覧から選びます(消防設備士は4つの講習区分、ほかに消防設備点検資格者・防火対象物点検資格者)。
- 1人が複数の講習区分の免状を持っているときは、区分ごとに1行ずつ入力します。
- 期限まで90日以内なら「期限が近い」、過ぎていれば「期限切れ」と出て、色が付きます。
- 消防設備点検資格者・防火対象物点検資格者は、再講習を受けたら「免状の交付日」を新しい免状の日付に書き換えます。
マクロは入っていません(Excel の .xlsx 形式)。出す期限は目安です。講習の日程・申込の方法は、都道府県ごとの講習の案内をご確認ください。 1人ずつ確かめたいときは、講習期限の計算ツールも使えます。
Excelで管理するときに気をつけること
| 起きること | 対策 |
|---|---|
| 開かないと気づけない | 期限が近いことは、ファイルを開いたときにしか分かりません。月の初めに開く、など日を決めて確かめます。 |
| 表どうしを照らし合わせない | その物件を誰が点検できるかは、物件の設備と従業員の資格を見比べて判断することになります。 設備ごとに必要な資格は設備と資格の早見表で確かめられます。 |
| 何人もで直すと食い違う | ファイルを複製して持ち歩くと、どれが最新か分からなくなります。置き場所を1か所に決め、直す人を決めます。 |
| 現場で見づらい | スマホでは表が小さく、入力もしにくくなります。現場で使う列(物件の連絡先・入館方法など)だけを別にまとめておくと探しやすくなります。 |
物件・予定・資格を、1つのデータでつなぐなら
消防設備点検業のための業務管理システム Abancia Field は、従業員の資格を登録すると講習の期限を同じ決まりで計算し、 期限が近い人を事務所のダッシュボードと、本人の出勤のあとの知らせで出します。 物件の設備と担当者の資格を照らし合わせ、資格が足りない割り当てには警告を出します。
Abancia Field を見る関連するツール
- 消防設備士・点検資格者の講習期限の計算ツール
- 消防設備点検の周期と報告の時期 早見表
- 消防設備と点検できる資格の早見表
- 消防用設備等点検結果報告書の書き方(別記様式第1〜3)
- 消防設備点検の年間スケジュールの組み方
出典
- 消防法施行規則(e-Gov 法令検索) ― 第33条の17(消防設備士の講習)、第31条の6 第3項(報告の期間)
- 消防設備士免状を所有されているすべての方へ(総務省消防庁) ― 講習の受講義務
- 令和8年度 消防設備士講習案内(東京消防庁・東京防災救急協会) ― 受講期限の例示、講習区分
- 消防設備点検資格者再講習(日本消防設備安全センター) ― 再講習と新しい免状
- 平成16年消防庁告示第9号 ― 点検の期間
最終確認日:2026年10月9日。 法令の改正により数え方が変わることがあります。講習の日程・申込方法は、都道府県ごとの案内をご確認ください。